食事について

「糖質制限ダイエット」は危険?

目次

糖質制限でなぜ痩せるのか

糖質制限を行うとなぜ痩せることができるのか。

これは簡単な理由によります。

つまり、炭水化物の糖分は体内で中性脂肪に変わり、人間のエネルギー源となるので、炭水化物を絶つことで中性脂肪が減っていき痩せることができる、いたって単純なメカニズムなのです。

プロのボクサーが試合の前の計量に間に合うようにたった1週間で数キロも減量を行うことがありますが、これは、「カーボ・ディプリート」「塩抜き」「水抜き」の3つを行うことで実現しています。この三つの共通点は「体から水分を抜いて干からびさせる」ことです。

カーボ(=炭水化物)は、体内に水分を貯める性質があるので、糖質を減らすことで体内のグリコーゲンをディプリート(枯渇)させれば自動的に体から水分が減り、体重が減ります。

塩分も同じで、塩分が増えると体は浸透圧と恒常性を保とうとして飲水量を増やし、結果として体水分量が増えます。しょっぱい物を食べると水を飲みたくなりますよね。

つまり塩を摂らなければ体水分量が減り、それが体重減となるわけです。

ボクサーやボディビルダーのように一時的に過剰な「糖質制限」を行っても、試合や大会前に不足していた糖質を大量に食べることで、元の体重に近づけていきます。

継続的な糖質制限は何が危険か

上記のように「糖質制限」を行うと、ほとんどの方は目に見えて痩せていきます。

ただし「痩せた!」と感じて、同じ手法のまま継続したり、さらに強力な「糖質制限」を行ったりすると、常にグリコーゲンが枯渇した状態になり、タンパク質を構成しているアミノ酸を、肝臓が糖に作り変えるというシステムが働き始めます。

適度な量のタンパク質を摂取すれば良いのでは、と考えがちですが、人体の維持に必要なエネルギーをタンパク質や脂質でまかなおうとすると、毎日大量の肉を食べなければなりません。

数kgもの肉を毎日食べ続けることは現実的に不可能です。

糖エネルギーが不足した分、体は自分の筋肉を分解してアミノ酸に変えていきます。その結果、筋肉量がどんどん減ってしまい、疲れやすい体になってしまいます。

さらに「糖質制限ダイエット」の危険性として、骨密度の減少による「骨粗鬆症」になりやすくなったり、肉料理が増えることでコレステロールが増加し、血液がドロドロになって、血栓や脳卒中の危険性が増したり、認知症の引き金にもなりかねないとも言われています。

「最初だけ」糖質制限ダイエットを勧める理由

このサイトでは、太っている方が最初に取り組むダイエットとして「糖質制限」をお勧めしています。

その理由は、簡単に始められるわりに、比較的短期間に効果を実感できるからです。

別の記事に書きますが、私が昼食だけ「糖質制限」し、朝食や夕食は全く制限をかけなくても1年間で8キロ痩せることができましたが、その「昼食」もコンビニで買ってきたものになります。

今のコンビニでは、糖質を低く抑えた商品も多く販売されており、意識的にそれを選ぶだけで簡単に「糖質制限」できます。

また今太っている方は、いろいろな方法を試しているのかもしれませんが、「痩せることができた」と実感することが、今後のモチベーションにつながります。

気持ち的に「痩せる」方向にスイッチを入れることができれば、あとは危険性がないよう工夫するだけです。

「糖質制限」は簡単に痩せられますが、それを長期間続けること、ましてやさらに「糖質制限を追い込むこと」は危険です。

ある程度痩せられるなと感じたら、他の栄養素を満遍なく摂取する、適度の運動を行うなど、他の方法を組み合わせることが重要です。

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